65歳で整体師に転身・斉藤勝幸さん（78）
人生の第二幕です。料理人として50年近く腕をふるってきた男性が、65歳で「整体師」に転身。全くの畑違いですが、「人を喜ばせたい」という思いは共通していて、それは78歳になった今も変わっていません。
華の手 整体院（長野県松本市）
「これちょっと痛いよ」
体の張りやコリをほぐす整体師の斉藤勝幸さん（78）。
客：
「効いてるわ…」
ここは斉藤さんが営む「華の手 整体院」。少々、変わったネーミングです。
華の手 整体院・斉藤勝幸さん
華の手 整体院・斉藤勝幸さん：
「中華の『華』もあるけど、手だからね、手でやるんだっていう、機械を使ってやるっていうのじゃなくてね。（名前を）『華の手』にしようかなと」
斉藤さんは整体師になって13年ほど。
もともとは…
話・斉藤勝幸さん
華の手 整体院・斉藤勝幸さん：
「50年近くコックやっていたからね。中華鍋、こうやって持つから丸いでしょ。この指だけは力ある」
斉藤は長野県栄村の出身。料理人を志すきっかけは、中学時代の国語の教科書に出てきた、同窓会の物語だったと言います。
提供 齊藤さん
華の手 整体院・斉藤勝幸さん：
「（会場に）入ってこられない人が一人いたんだよね。コック長が慌てて外に行って、その人に聞いたら、『商売や人生を失敗して、行きたいんだけど恥ずかしくて入れなかった』と。コック長が『そんなことはいいんだ。ぜひ、みんなに会って、中学時代に戻って、みんなで楽しくやろうよ』っていう、国語の授業があったんですよ。かっこいいじゃんって思ってね」
料理人のころ（提供 斉藤さん）
中学を出て集団就職。東京・新宿の飲食店で見習いをした後、中華の道へ進みました。横須賀などで修業を積んだあと、紹介で大町市の店へ。結婚を機に独立し、松本市に中華料理店「廬山（ろざん）」をオープンさせました。
店には多くの学生やサラリーマンが足を運ぶようになります。利益よりも客の満足を優先してきたからだと言います。
華の手 整体院・斉藤勝幸さん
華の手 整体院・斉藤勝幸さん：
「それ（利益）を一番にしちゃうとお客さん来ない、どこの商売も。人が喜んでくれれば、どんどん来てくれる、もうかるのは当たり前。自分が先にもうけようなんて思ったって、それはだめ」
[/MARKOVE]
