玉串をささげて地域にふさわしい御柱を授かるよう願う「湖南・中洲」の抽籤祈願=2日午前6時15分ごろ
令和4年諏訪大社式年造営御柱大祭(御柱祭)の年を迎え、長野県諏訪市の諏訪大社上社本宮では2日、御柱の曳行担当を決める抽籤式に向けた「抽籤祈願」が始まった。抽籤総代、大総代や地区代表の氏子たちが集まり、地域にふさわしい御柱を授かるよう願った。上社大総代会でつくる上社御柱祭安全対策実行委員会がまとめた感染対策のガイドラインに沿い、各柱とも参列者を30人以内としたこともあり、厳粛な雰囲気に包まれた祈願初日となった。
寒気と放射冷却現象の影響で諏訪の最低気温が氷点下10・8度とこの冬一番の寒さとなった抽籤祈願の初日。各地区の大総代らは緊張した面持ちで「身が引き締まる思い」と語り、抽籤に向けて精進を誓った。氏子たちは地区の旗を先頭に境内の階段を上り、幣拝殿前の斎庭に整列。1メートル以上の距離を取りながら並び、抽籤総代が玉串を奉る様子を見つめ、大総代らに合わせて参拝した。祈願が終わり、氏子たちは順次、本宮を後にした。境内を離れた場所からお宮に向けてこん身の木やりを届ける木やり師もいた。
同日は6地区が抽籤祈願をした。各地区の抽籤総代は、一緒に参拝した大総代や氏子、感染防止のため参列を我慢した氏子たちに感謝しつつ、自らの務めを全うする決意を新たにしていた。
この日最初の祈願となった湖南・中洲の仲井宏人さん(64)=諏訪市田辺=は「良い御柱を授かることができるよう精進したい」。前回、本宮一を担当した四賀・豊田の守屋文門さん(69)=同市赤沼=は「8本(の御柱)すべてが神様。抽籤式もその日までの抽籤祈願も平常心を心掛けたい」。御柱祭安全対策実行委の副委員長も務める宮川・ちのの大久保賢一さん(70)=茅野市宮川茅野=は「私たちの地区がこれまで曳いたことがない御柱を曳かせていただけるならありがたい」。金沢・富士見の樋口尚宏さん(65)=同市金沢上町=は「抽籤祈願が始まり、気持ちの高ぶりを感じた」。豊平・玉川の矢島正恒さん(67)=同市南大塩=は「誠心誠意、私の持てる魂をすべて傾注して抽籤式に臨みたい」。原・泉野の五味光亮さん(79)=原村室内=は「地域にとってふさわしい御柱をいただけると思う」とそれぞれ語った。
抽籤式は2月15日。本宮と前宮に建てる計8本の担当地区を決める。
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