八ケ岳西麓の自然環境に関する共同宣言書を持つ(左から)名取重治富士見町長、今井敦茅野市長、五味武雄原村長
長野県茅野市の今井敦市長、富士見町の名取重治町長、原村の五味武雄村長は16日、3市町村の自然環境維持と再生可能エネルギー普及の両立へ「八ケ岳西麓の豊かな自然環境と共生する未来に向けた共同宣言」を発表した。「地域の理解が得られない野立て型太陽光発電設備の設置を望まない」など3項目を明記。豊かな自然を守るため「思いを共有したい」とした。自然環境を中心に将来ビジョン策定に向けた議論を来年1月下旬から始める予定。
3市町村は家庭や事業所から出る可燃物や資源物を共同処理している。共同宣言は「共通課題を抱える3市町村が環境を軸に農業や観光などの振興について共に考える」(今井市長)のが狙い。宣言では他に、県と連携して屋根置き型太陽光発電設備と蓄電池の普及を図ることや、八ケ岳西麓一帯の環境や観光、農業面の振興策の協議を進めることも盛り込んだ。今年夏ごろから準備してきたという。
各首長は茅野市役所で共同宣言書に署名し、その後、記者会見。今井市長は「再生可能エネルギーを住民の理解を得ながらバランスよく進めたい」と述べた。名取町長は「3市町村が同じ方向で考えていることを再確認し、発信できたことは成果」、五味村長は「3市町村共通の動きが必要。契機として共同宣言が出せたことはありがたい」と語った。
野立て型太陽光発電設備に関する条例を改正した原村をはじめ、茅野市、富士見町でも太陽光発電設備に対する規制を強化する条例改正の動きがあるが、今井市長は「条例は市町村それぞれの考えがあるので、(宣言とは)分けて考えている」とした。
1月から始まる将来ビジョンを検討する会議については、まず市町村長と副市町村長が課題を洗い出し、必要に応じて県が加わる可能性があるとした。今井市長は将来ビジョンについて「来年度中には一定の方向性を出したい」とした。
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