「一本焼き」のたい焼き職人・堀内剣治さん（長野県須坂市）
特集は、こだわりのたい焼きです。63年続く長野県須坂市のたい焼き店。80歳の主がひとりで一つずつ丁寧に型で焼く「一本焼き」で味と店を守っています。
「はなや」のたい焼き
須坂市墨坂の「はなや」。
近づくと、金属の触れ合う音が聞こえてきます。
はなや
店の主は、2代目の堀内剣治さん80歳です。
堀内剣治さん
はなや・堀内剣治さん（80）：
「なかなかね、自分の思う通りに焼けないんですよね。60年やっているけど」
店の創業は昭和33年。
堀内剣治さん
堀内さんは中学卒業後、上京して帽子の問屋に勤めていましたが、二十歳のとき、先代の父親に頼まれ、店に入りました。以来60年、この道一筋です。
好きなクラシックを聴きながら…
好きなクラシックを聴きながら…
はなや・堀内剣治さん（80）：
「単純な仕事だから、聴きながらやった方が、飽きないというか…。その日によって、聴く曲は違うけどね。シューベルト、ショパンだったり、ベートーベンだったり」
提供：堀内さん
30年ほど前に店を継いでからは、妻の恒子さんと二人三脚で店を守ってきました。しかし、去年8月に恒子さんをがんで亡くし今はひとりです。
はなや・堀内剣治さん（80）：
「大変です…慣れるまでね、ひとりというのは。慣れちゃえば、こういうもんかなと思うけど」
独立した型で焼く「一本焼き」
「はなや」のたい焼きは一つ一つ独立した型で焼く、いわゆる「一本焼き」です。熱心なファンはこれを「天然もの」、まとめて焼いたものを「養殖もの」と呼ぶんだそうです。
「型」は岩手県の業者に特注したもので重さは2キロもあります。
型に生地とあんこを入れる
それに生地とあんこを入れ、火加減を調整しながら直火で熱します。勘と経験を頼りに型を回しながら焼き上げます。
型を回しながら焼き上げる
はなや・堀内剣治さん（80）：
「勘ですよね。焼けているか焼けていないか手触りと、それ（見た目）だけで見ないとね。うちの焼き方でやっているのは、（他に）そんなにはないだろうなというのがあって、ずっと今まで続けてきているんです」
表面はカリッと、中はしっとりと…
昔ながらの「一本焼き」。手間はかかりますが表面はカリッと、中はしっとりと…。
たい焼き1個150円（あずきあん／白あん／うぐいすあん）
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