クレーンを使い、慎重に神楽殿に大しめ縄を取り付けた関係者。午後6時過ぎ、作業が無事に終わった=下諏訪町の諏訪大社下社秋宮
長野県下諏訪町の有志でつくる諏訪大社大注連縄奉献会(阪本正人会長)は5日、下社秋宮の神楽殿に最大直径約1.4メートルの巨大なしめ縄を取り付け、奉納した。御柱祭前年に新調しており、新年を前に新たな装いとなった。作業には約50人が参加。観光客らが見守る中、前回取り付けた大しめ縄を神楽殿から取り外した後、仕上げておいた2本の「芯」をより上げ、慎重に取り付けた。
神楽殿は国重要文化財。大しめ縄の重量はおよそ1トンとされてきたが、建物に負担が掛からないよう前回から軽量化を目指し、今回は約800キロに抑えた。全長は前回同様約7.5メートル。諏訪地方で調達した2年分のわらを使用した。
大しめ縄作りは10月16日から始め、近くの作業小屋で毎週土・日曜日に行ってきた。延べ180人が携わり、調達したわらをよるなどして「芯」や「むしろ」、大しめ縄の下に垂らす三角すいの房3本を制作。最終日のこの日、境内で最終形に組み立て、クレーンで神楽殿へ持ち上げて取り付けた。
奉献会は1985年に発足し、翌年から大しめ縄の奉納に従事。出雲大社(島根県)の須賀注連縄保存会と共同で行った後、1997年から自分たちだけで制作を担い、5回目になる。
当初から奉献会に携わってきた阪本会長(72)=同町大門=は「大きく立派なものができて満足。コロナ禍だが無事に来年の御柱祭が挙行されることを願う。新しくなった大しめ縄を見て、氏子や初詣客の皆さんにすがすがしい気持ちになってもらえたら」と話した。
[/MARKOVE]