さまざまな刀剣が並ぶ会場=伊那市高遠町歴史博物館
長野県伊那市高遠町歴史博物館で、中世の古刀を集めた「信州ゆかりの刀剣展」が開かれている。高遠城などを舞台に、武田信玄の父、信虎の最晩年を描く映画「信虎」の公開を記念して企画。鎌倉から江戸時代初期までに作られた刀剣や槍合わせて8点を飾っている。
同館の所蔵品をはじめ、映画製作会社の ミヤオビピクチャーズが企画展のために借り受けた脇差しや日本刀などを展示。刀鍛冶や刀の特徴、作品の時代背景も紹介している。
鎌倉時代の刀匠「真長」の刀は、地元の偉人伊澤修二の弟で政治家の伊澤多喜男が手に入れ、神社に奉納。高遠の刀工が室町時代に制作したとされる刀もあり、連合国軍総司令部(GHQ)によって接収された「赤羽刀」として見つかっている。大きな穂先を持つ槍は、七色に光る螺鈿細工が柄に施され、上級の武士が使用していたことがうかがえる。
会場には、高遠城にゆかりのある戦国武将として、武田信玄の弟、武田逍遥軒信綱や、城主を務めた武田勝頼の紹介パネルも並ぶ。
同館は「上伊那地域で信州にゆかりのある刀がそろう企画展は珍しい。刀鍛冶の技術が注ぎ込まれた古刀の精巧な作りを間近で見てもらえたら」と来場を呼び掛けている。
来年2月20日まで。午前9時~午後5時(最終入館は同4時30分)。月曜日、祝日の翌日は休館。入館料は大人400円、高校生以下と18歳未満は無料。問い合わせは同館(電話0265・94・4444)へ。
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