気象や防災減災の専門家をアドバイザーに迎えた岡谷市の会議。オンラインで行った
長野県岡谷市は9日、8月の大雨災害を受けて市の当時の対応を検証し災害時対応を見直す取り組みで、専門家をアドバイザーに迎えた会議の第1回を開いた。市は年内をめどに案をまとめ、年明けに市民に周知したい考えだったが、この日、アドバイザーから受けた意見を考慮して「全体のスケジュールを含めて今後の対応を練り直す」ことにした。
同市では8月15日、3人が亡くなる土石流災害が川岸東の鮎沢区で発生。同区などへの避難指示の発令が発災後だったことから、市は学識者らに助言をもらい、避難指示発令のタイミングが適切だったかの検証や避難情報発令の基準など災害時対応の見直しに取り組む考えを示していた。
アドバイザーは、▽長野地方気象台の向井利明次長▽県危機管理部危機管理防災課の古越武彦・火山防災幹▽県建設部砂防課の青木能健・企画幹兼地すべり係長▽信州大学地域防災減災センターから菊池聡センター長(心理学)平松晋也・防災減災研究部門長(砂防学)大塚勉特任教授(地質学)神田孝文特任助教▽静岡大学防災総合センターの牛山素行副センター長(災害情報学)に委嘱した。
会議では当時の防災気象情報や累計雨量、降雨予測などのデータ、避難情報を発令した市内15区の住民に取ったアンケート結果、今月開く市防災会議、市自主防災組織連絡協議会で挙がった意見を提示し、助言をもらう。
初回の会議は冒頭を除き非公開。出席したアドバイザー6人からは、避難情報発令の基準として雨量などの数値を設定するには年内では「検討時間が短い」などの指摘があった。小林隆志・市危機管理室長は会議後の取材に「相談しながら調整していきたい」とこれまでに示したスケジュールを変える可能性を明かした。
また初回を終えて「市が住民の命や財産を守ることを考える上で必要な意見をもらっている。真摯に受け止めて今後につなげていけるようにしたい」と述べた。
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