石仏をかたどった小型フィギュアと吉澤祐佳さん
江戸時代を中心に活躍した高遠藩ゆかりの職人「高遠石工」の石仏を広く知ってもらおうと、長野県の伊那市地域おこし協力隊が、ペットボトルのキャップを再利用し、製作を進めていた石仏の小型フィギュア(人形)が完成した。4種類で計660個。カプセル玩具(通称ガチャガチャ)にして、7日の石仏巡りのイベントで販売する。
フィギュアは高さ5センチほど。地区内の2200体を超える石仏などのうち、名工とうたわれる守屋貞治の作品「大聖不動明王」、「延命地蔵菩薩」、「不空羂索観音」をデザイン。このほか、10分の1の確率で獲得できる限定フィギュアがあり、一部に石仏に使われる輝緑岩のかけらも添える。1回300円で、販売機はイベント主会場の高遠町文化センター駐車場に設ける。
製品設計のスワニー(同市)が製造。3Dスキャン、3Dプリンター技術を用いて実物の石仏から収集したデータを基に小さな金型を作り、溶かしたプラスチックを流し入れて固めた。
キャップの回収では、目標の8倍となる10万個が寄せられた。地元の高遠、高遠北両小学校の児童が半分近くを集め、市外からの協力もあったという。
5日に地域おこし協力隊員で発案者の吉澤祐佳さん(25)=同市高遠町=ら3人が市役所を訪れ、白鳥孝市長に完成を報告。今後を見据え「シリーズ化し、全国展開も考えていきたい」と思いを語った。白鳥市長はフィギュアを手に取って確かめ、「精巧な作りで驚いた。模様も異なり、どれもいい」と感心していた。
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