信州産の生ハムの評価が高まっている
「生ハム」は輸入のイメージが強いですが、近年、長野県内で生ハムを作る工房が増えていて、「信州産」の評価が高まっています。その背景と一流シェフも太鼓判を押す品質の高さに迫ります。
【動画で見る】一流シェフも太鼓判「信州産生ハム」 冷涼な長野は「適地」で工房増加中
■信州産の生ハム 一流のフレンチシェフが太鼓判
信州産チーズのムースと生ハム(軽井沢町のフレンチレストランTOEDA)
軽井沢町のフレンチレストランTOEDA。オーナーシェフの戸枝忠孝さんがスライスしているのは「生ハム」です。「原木」と呼ばれる大きな豚肉から薄く切り出し、前菜などに使っています。
「信州産チーズのムースと生ハム~ハーブとブラックオリーブと生クリームのソース~」
話・フレンチレストランTOEDA・戸枝忠孝シェフ
フレンチレストランTOEDA・戸枝忠孝シェフ:
「チーズのムースの方、味を薄く仕上げてるので、シンプルに生ハムを食べていただければなと」
記者が試食―。
(記者リポート)
「チーズムースに生ハムがとてもよく合います。食べた瞬間から生ハムの芳醇(ほうじゅん)な香りが鼻に抜けていきます」
フレンチレストランTOEDA・戸枝忠孝シェフ
戸枝さんはフレンチの世界大会にも出場する一流シェフ。食材は信州産にこだわっています。「生ハム」ももちろん、信州産。仕入れるようになって7年になります。
フレンチレストランTOEDA・戸枝忠孝シェフ:
「料理で使う前に味見もしますし、止まらなくなりますよね。一生懸命、しかもいい品質のものを作られているので、使わせていただかないといけないとは思いますね」
■標高1500メートルの姫木平 肉の熟成に適した気候
長和町の姫木平
一流シェフが太鼓判を押す生ハムは標高およそ1500メートル、長和町の姫木平で作られています。工房の名は「Jambon de Himeki(ジャンボン・ド・ヒメキ)」。藤原伸彦さん(51)が2015年に立ち上げました。
ジャンボン・ド・ヒメキ・藤原伸彦さん
豚肉に塗っているのは、ミネラル分が多いオーストラリア産の「湖塩」。藤原さんは3種類の県産豚肉で「生ハム」を作っています。(信州黒豚・信州太郎ポーク・千代幻豚)
工房はかつて藤原さんの父親が営んでいたペンションで子どもの頃、一家で大阪から移り、藤原さんは姫木平で成長しました。
信州黒豚・信州太郎ポーク・千代幻豚で生ハムを作る
その後、フレンチのシェフとなり東京や大阪で腕を振るったあと、2010年に諏訪市のレストランへ。生ハムを手掛けるようになったのは、この頃です。
ジャンボン・ド・ヒメキ・藤原伸彦さん:
「(諏訪のレストランで)豚肉料理の商品開発の一環として、生ハムを作れないかということになり、まず豚もも肉を2本塩漬けして作り始めた」
生ハムは好評で、藤原さんはその後、「職人」として独立。かつてのペンションに工房を構えたのは、姫木平が生ハム作りに適しているという「読み」があったからです。
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