会見で県内の感染状況を説明する阿部守一知事(右)
長野県は6日、新型コロナウイルス「第5波」が県内でも急拡大している中、今後の感染状況次第で瞬時に医療体制が逼迫する可能性があるとして、全県に「医療警報」を発出した。阿部守一知事は「救える命が救えなくなる状況になることは避けなければいけない。医療提供体制の維持に全力を尽くしていく」と述べ、引き続きの感染防止対策の徹底を県民に呼び掛けた。
強い感染力を持つ変異株「デルタ株」による感染が全国的に拡大する中、県によると、直近1週間(7月30日~8月5日)の新規感染者数は345人で、前週から200人以上増加するなど県内でもかつてないスピードで感染者が激増している。県が490床確保している新型コロナ患者用の病床は、5日午後8時時点で使用率が26・3%と、医療警報の発出基準(25・0%)を超えた。
また第5波では、直近1週間の新規感染者における高齢者の割合が1・7%と、第4波と比べ高齢感染者が減少した一方、20~50代が増加。20~30代の基礎疾患のない人でも中等症になる事例も複数確認されているという。
県は感染拡大防止のための集団感染対策や検査体制の拡充、ワクチン接種のさらなる推進、療養体制の充実に取り組む。県民や事業者には基本的な感染防止対策の徹底や人との接触機会をできる限り少なくすること、体調不良時の早期受診などを要請している。
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