店自慢の「甘酒焼き芋」
長野県岡谷市の糀店が売り出している焼き芋。その名も「甘酒焼き芋」。みそや甘酒に続き、なぜ老舗が焼き芋を手掛けるようになったのか。理由を探ると失敗にもめげず挑戦を続ける店の姿勢が垣間見えた。
【動画で見る】もはやスイーツ「甘酒焼き芋」開発の裏側
■甘酒を二度塗り しっとり甘い
子どもも大好き!
蜜がにじみ出て光沢さえ出ている焼き芋。中はしっとり…。
子ども:
「あまい」
販売しているのは、岡谷市の若宮糀屋。
明治19年創業の老舗で糀(こうじ)の他、みそや甘酒をつくり販売している。
「シルクスイート」を専用のオーブンで焼く
なぜ糀店で焼き芋なのか?それは作り方を見ればわかる。
使用するサツマイモは「シルクスイート」。シルクの街・岡谷市が普及を進めている品種だ。
専用のオーブンで一度におよそ150本焼く。
低温でじっくりと焼き上げたら、いったん取り出す。
アツアツの焼き芋に自社製の甘酒をたっぷり二度塗り
アツアツの焼き芋に塗っているのは、自社製の甘酒。
たっぷり二度塗りしたら再びオーブンへ。
甘酒に焦げ目がつき、芋の中からも蜜がにじみ出る。
このままでも食べられるが、さらに一晩寝かせる。これが店自慢の「甘酒焼き芋」。(10g28円税込)
店頭の他、オンラインショップでも扱っている。
もう一度オーブンで焼くと、芋の中から蜜がにじみ出る
子どもたちにも評判!
子ども:
「おいしい」
母親:
「普通の焼き芋よりもねっとりしていて、すごく甘い。甘酒という体に良いもので、かつ、お芋なのでおやつには最適だと思う」
しっとり、甘い!
記者も…。
(記者リポート)
「お!しっとり、甘い!甘酒の風味は程よく残っているんですが、サツマイモ本来の甘み、香りを邪魔することなく、さらに引き立てている感じです」
■試行錯誤 失敗から生まれた「甘酒専用」の糀
若宮糀屋・花岡慶子さん
甘酒を塗って焼くという大胆な発想。
それは4代目店主の妻・慶子さん(43)が聞いた、常連客のある一言がきっかけになったという。
若宮糀屋・花岡慶子さん:
「客から『生のサツマイモを甘酒に漬けて焼くとおいしい』という声をいただいて」
客の声をヒントに当初、生のサツマイモを甘酒に漬けて焼いてみたものの、実が硬くなり失敗。試行錯誤の末、現在の二度塗りにたどり着き2022年1月から売り出している。
若宮糀屋・花岡慶子さん:
「寝かせるともっと甘酒のうま味、甘みが浸透して完全なスイーツになります」
実は芋を甘くする甘酒にも「試行錯誤」があった。
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