徳川家ゆかりの品を収蔵する貞松院の山田住職と特別公開のチラシ
長野県諏訪市諏訪2の貞松院(山田雄道住職)は4月8日、所蔵する宝物を特別公開する。徳川家康の六男松平忠輝ゆかりの品を中心に、茶道具や古九谷の大皿など約30点を本堂と庫裏に展示する。尺八の一種で織田信長、豊臣秀吉、徳川家康に伝わった一節切銘「乃可勢」を模して作られた「秋声」の演奏が午前11時から本堂で行われる。奏者は都山流大師範の両角粋山さん。
忠輝の墓所でもある貞松院は、数多くの遺品を守り伝える。特別公開では、家康が忠輝に与えた乃可勢をはじめ、忠輝が大坂夏の陣で使ったとされる陣羽織や陣太鼓、加賀前田家から忠輝に贈られた古九谷の大皿、天海僧正が忠輝にあてた書状(いずれも市指定文化財)、忠輝公肖像画などを展示する。
このうち古九谷の大皿は「加賀の白山」が描かれ、「江戸時代の所有者が特定できる古九谷は他にはない」と言われる絶品。15年秋に石川県加賀市で開かれた展覧会にも特別出品された。江戸時代に民衆や大名から熱狂的な支持を集めた徳本上人の書「大字名号」の掛け軸や、初代高島藩主諏訪頼水に嫁いだ貞松院の遺品なども展示する。
特別公開は2017年以来。NHK大河ドラマ「どうする家康」で家康に注目が集まる中、徳川家ゆかりの品々を拝観したいという声に応えた。山田住職は「文化財が地元にあることを知っていただく機会になればうれしい。樹齢400年のシダレザクラとあわせて見ていただければ」と話している。
入場無料。時間は午前10時~午後4時。駐車場は国道20号沿いにある教念寺駐車場が利用できる。翌9日には吉川忠英さんの夜桜ギターライブ(諏訪ポピュラー音楽協会主催)もある。
特別公開の問い合わせは、貞松院(電話0266・52・1970)へ。
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