3年ぶりとなる上映会の初日に、県内外から多くの映画ファンが訪れた蓼科高原映画祭=茅野市の茅野新星劇場
日本映画界の巨匠、小津安二郎監督が晩年の仕事場にした長野県茅野市で開く「第25回小津安二郎記念・蓼科高原映画祭」が17日、同市仲町の茅野新星劇場で開幕した。25日までの9日間に、コロナ禍で3年ぶりとなる上映会や短編映画コンクール、ゲストによる舞台トークなどの催しを繰り広げる。
オープニングには、県内外から約110人の映画ファンが訪れた。コロナ禍以前は、ほぼ毎年訪れていたという末廣好男さん(61)=神奈川県藤沢市=は「久々の開催でとても楽しみ。来週のイベントにも参加したい」と笑顔だった。この日は、「大河への道」と「20歳のソウル」、諏訪地域で撮影された「サヨナラまでの30分」の3作品を上映した。
あいさつで組織委員長の今井敦市長は「心に栄養を充填(じゅうてん)してもらい、アフターコロナへの第一歩とできたら」と話した。実行委員長の山本活夫・ちの観光まちづくり推進機構理事長は「多くの関係者らの尽力で四半世紀という節目を迎えられた」と感謝した。
上映作品は、小津監督の「お早よう」や県内で撮影された「流浪の月」などの20本。同劇場で1日3~4本上映し、23日からはゲストが登場。24、25日には茅野市民館が会場に加わる。
メインの24、25日には、上映会のほか、女優中井貴惠さんが小津監督作品の「麥秋」を朗読する「音語り」を行う予定。167作品が集まった「第21回短編映画コンクール」は表彰式を行い、入選作品10本を無料上映する。
チケットは上映会場や市観光課などで販売している。問い合わせは実行委事務局の同課(電話0266・72・2101)へ。
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