がれきに埋まった生存者役の人を探す救助犬や飼い主ら=29日
災害や遭難時の行方不明者の捜索をサポートする災害救助犬の育成に取り組むNPO法人災害救助犬ネットワーク(本部・東京)は28日から1泊2日で、冬季合宿訓練会を長野県原村深山のあぴの森キャンプ場で開いた。全国各地の飼い主ら約10人と愛犬7頭が参加。29日には指示に従う訓練やがれきの下に隠れた生存者役を見つける訓練を行った。
2007年に発足した同ネットは全国各地にボランティア会員約40人がいて、毎年季節ごとに各地で訓練会を行っている。同キャンプ場での開催は初めてで、同場を営む笠原正好さん(72)が復興支援などに取り組むNPO法人絆JAPAN(同村)の理事長を務めている縁で、知り合いを通じて開かれた。
特定の臭いを追跡する警察犬と違って、救助犬は息や体臭など人の臭いをかぎ分けて不特定の生存者を探すのが特徴。同ネットは認定試験を行っていて、現在6頭の認定犬が活動する。
今回は生後4、5カ月~10才の認定犬や試験合格を目指すシェパードやラブラドールなどが参加。29日の訓練では雪の上を駆け回り、丸太や小枝の下に隠れた生存者の会員を見つけると、何度もほえて飼い主らに伝えていた。会員には現役消防士や訓練士もいて、サポートしていた。
嘱託警察犬でもある愛犬と参加した三上恵子さん(64)=青森県=は「新しい場所で楽しく実践的な訓練ができて刺激になった」と笑顔。救助犬は認知度が低く、各地の消防との合同訓練も行っているといい、四戸正子副理事長=岩手県=(52)は「まだまだ道半ば。相互理解を深めたい」、笠原さんは「諏訪地域でも救助犬に興味を持つ人が出てきたら」と話していた。
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