歌会始で佳作に選出された・木下瑜美子さん(長野県飯田市)
新春恒例の歌会始で、長野県内では唯一、飯田市の80歳の女性が佳作に選ばれました。今年のお題は「友」。同世代の歌仲間で現役の大工として働く友人の姿を詠みました。
18日、皇居で行われた歌会始の儀。お題は「友」。一般応募の1万5000首余りから入選した10首が披露されました。
入選作に次ぐ佳作は15首。県内では唯一、飯田市上郷黒田の木下瑜美子さん(80)の歌が選ばれました。
(佳作に選ばれた歌)
『歌会を切り上げ現場へ向かふ友 つねに木の香のする大工なり』
詠んだのは、同じ短歌のサークルで活動する同世代の仲間の姿。今も現役の大工として仕事に打ち込んでいます。
佳作に選出された・木下瑜美子さん:
「(歌のモデルは)仕事にほれ込んでいる大工さん。仕事にほれ込んでいるくらいの力で短歌にもほれ込んで、はつらつと弱音も吐かずに短歌を作る。どちらにも全力投球をするところは励まされる。(佳作に選ばれて)うれしく思っている」
木下さんの歌のモデルになった・乾百樹さん:
「俺のことかな?と思ったけどまさかと思っているもんで。すべてをお聞きして涙が出ました。こういう感動を誰かに私はお返ししたい」
木下さんの短歌作りはすでに50年。子どもの成長を記録したいと始め、子育てが落ち着いてからは、日常生活で見た光景や新聞を読んで感じたことなどを歌にしてきました。
2015年の歌会始では、「本」をお題とする歌で入選し、両陛下の前で披露されました。
木下瑜美子さん(当時):
「緊張の中にも自分の歌を聞き取ることができて、感謝しております」
2021年は、幼いころから歌を教えてきた孫の玲奈さんも入選しています。今回の佳作選出も喜んでくれたそうです。
歌は生活の一部。今後も歌作りに励みます。
佳作に選出された・木下瑜美子さん:
「肩ひじ張らずに歌っていきたい。(歌を通じて)この年になっても世とつながっていたい。世を知っていきたい」
長野放送[/MARKOVE]