長野放送
長野県軽井沢町の国道で大学生ら15人が死亡したスキーツアーバスの事故から15日で7年。この週末は現場に遺族や関係者が訪れ、追悼と再発防止の誓いを新たにしました。
「こうした事故が起きないようにすることが遺族の使命」と述べた遺族会代表の田原義則さん。これは亡き息子との約束でもあります。ただ、死者を出すバス事故は相次いでいて、田原さんは改めて「再発防止」への思いを強めています。
1月7日京都府・舞鶴市―。
バス事故で次男の寛さんを亡くした田原義則さん。先祖と一緒に眠る寛さんに手を合わせました。
次男・寛さんを亡くす・田原義則さん:
「7年たつが事故の直後から気持ちは変わっていません」
田原さんは遺族の会の代表として事故直後から「原因究明」と「再発防止」を訴えてきました。
2021年10月からバス運行会社社長などの責任を追及する刑事裁判が始まりました。検察は「不慣れな運転手の事故は予見できた」「適切な指導監督を怠った」などとして2人に禁固5年を求刑しました。
一方、被告側は無罪を主張しています。
次男・寛さんを亡くす・田原義則さん(去年12月、結審後):
「いつ事故が起こってもおかしくない状態に会社の安全管理がなっていたのは紛れもない事実。責任はしっかりと、とってもらいたい」
判決は2023年6月8日―。
「再発防止」に向けての活動も続けています。2022年は初めて国やバス業界とともに「安全安心なバス運行を誓う集い」を開催し、安全運行を呼びかけました。
しかし、悲惨な事故は後を絶ちません。2022年10月には静岡県で乗客が亡くなるバス事故も起きました。詳しい原因は調査中ですが、田原さんは軽井沢の事故を風化させない取り組みが大事だと感じています。
次男・寛さんを亡くす・田原義則さん:
「少しでも安全管理につなげてもらえるようなきっかけになればという思いで、『集い』も声をかけさせてもらっている。声を上げていくのが被害者であり遺族の役割」
15日は3回目の「集い」が開かれ、田原さんは改めて「再発防止」を訴えました。
バス業界は―。
日本バス協会・清水一郎会長:
「運行管理がきっちりとできているか、できていなければ市場にいてはいけない。市場から退出するようにしていかなければいけない。バス事業者にとって最大の使命は安全、われわれとしては事故防止、安全を徹底していきたい」
亡き息子と交わした約束「二度と悲惨な事故を起こさない社会をつくる」。田原さんは今後も活動を続けます。
次男・寛さんを亡くす・田原義則さん:
「少しでも近づけられるように我々だけですべてができるわけではないんですけど少しでも寄与できるようにしていきたいという思いでずっと7年間やってます、これからも変わらず」
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