長野放送
みそ蔵復活の続報です。2019年の台風19号災害で被災した長野市のみそ蔵のみそが2022年の鑑評会で全国2位にあたる「農林水産大臣官房長賞」を受賞。被災を免れたみその酵母で仕込んだもので、代表は「復興」への思いを新たにしています。
16日、阿部守一知事を表敬訪問したのは、長野市のみそ蔵「小川醸造場」の小川泰祐さんです。知事に手渡したのは、去年仕込んだみそ、その名も「復酵」。2022年の「全国味噌鑑評会」で農林水産大臣賞に次ぐ官房長賞を受賞したことを報告しました。
小川醸造場・小川泰祐さん:
「昔のみそに近づけたのかなとほっとした気持ち」
2019年の台風19号災害。みそ蔵は、千曲川の堤防の決壊地点に近く、器材も仕込み中のみそも全て流されました。
失意の小川さんに明るいニュースが届きます。被災前に出品していたみそが、2019年の鑑評会で「農林水産大臣賞」を受賞したのです。さらに。
小川醸造場・小川泰祐さん:
「出品していた残ったみそから微生物を分離培養できないかと(県工業技術総合センターの)部門長に相談したところ、ふたつ返事で『やります』と。一筋の明かりが見えて再建に向けて進むことができた」
県工業技術センターが、被災を免れたみそから「蔵付き」と呼ばれる蔵固有の酵母を培養してくれるになりました。
多くの支援を受けて蔵の再建や大豆の栽培にもあたり、2022年6月、被災後初めて「蔵付き」でみそを仕込みました。それが今回、受賞した「復酵」。地域の復興への願いも込めて名付けたみそが再び高い評価を受けました。後回しにしていた自宅の改装もようやく終わる見込みで、小川さんはみそづくりへの意欲をますます強くしています。
小川醸造場・小川泰祐さん:
「(災害で)失ったものも多かったけど、新たな形のみそづくりをしていきたい。みそづくりを通して復興に関わっていけたらいい」
小川さんの「復酵」はJAながのの「アグリながぬま」で販売しています。
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