材料にこだわってパンを作る親子 中野人士さんと葉さん
父と子のパン店です。長野県松本市に父が栽培した小麦を使って息子がパンを焼く店があります。材料にこだわった親子2代のパン作りをお伝えします。
【動画】親子で分業 手間暇をかけてこだわりのパン作り
きんぴら工房(長野県松本市)
焼きたてのパン。香ばしい香りが広がります。ここは松本市清水のパン店「きんぴら工房」。2021年4月、塩尻から移転し、リニューアルオープンしました。店主は2代目の中野葉さん(35)です。他に従業員はいません。
きんぴら工房・中野葉さん:
「他の人に任せられないって感じですね。やっぱりお客さんからいい反応もらえたりとか、やりがいもあります」
ショーケースに見本のパンを並べる
ショーケースに見本となるパンを並べ、販売の際、あらかじめ袋詰めした品を渡すようにしています。その方が衛生的だと考えたからだそうです。
扱っているのは店自慢の食パン「角食」や、コーダチーズやマヨネーズとあえたちりめんが入った「ちりめんこっぺ」など15種類ほどです。
黒小麦とライ麦の全粒粉
こだわりの一つが材料。香りや風味の決め手となる黒小麦とライ麦の全粒粉は全て「地元産」です。
しかも、栽培しているのは、先代の店主で葉さんの父・人士さん(66)です。店を息子に譲り、人士さんは今、小麦栽培に専念しています。
いつか食堂を始めたいと思っていた父・人士さん。30歳で額縁店を辞め、旧堀金村で食堂「きんぴら工房」をオープンさせました。その後、パン作りに目覚め、食堂で販売するようになります。
父・人士さん:
「なんか憧れですよね。パン焼き窯に棒、突っ込んで、焼きたてのパンを出すって仕事はいいなって」
結婚を機に妻の実家がある塩尻市へ移転。パン店に切り替えました。店名はそのままだったため「きんぴらごぼうのパンはあるの?」とよく聞かれたそうです。
小麦を栽培する・父・人士さん
人士さんは「納得のいくパン作りをしたい」と、天然酵母の使用とともに小麦の栽培を始めます。
父・人士さん:
「(なぜ栽培?)やっぱ、パン屋だからですよ。自分の指定した小麦を、自分の指定した作り方で(育てたかった)、おいしくて安全なものをね。パン屋をやるには、いい原材料を手にすることが必要だった」
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