宿泊許可付きシェアハウスへと改修が行われている旧小沢屋旅館
15年ほど前に廃業した、長野県辰野町平出にある旧小沢屋旅館を活用し、同町に移住定住して起業を目指す人たちを支援するための宿泊許可付きシェアハウスの整備が進んでいる。各種まちづくり事業を手掛けるトビチカンパニー(赤羽孝太共同代表)とIRODORI(赤坂大介社長)が、国の「地域商業機能複合化推進事業」の助成を受けて取り組むプロジェクト。意欲ある若者らの仮住まいとして、今春のオープンを目指して改修している。
同事業は、商店街の店舗と緩やかなつながりを持つ宿泊施設を整備することで「暮らしと商店街」「旅と商店街」などのつながりを創出するもの。長期滞在を可能にすることで商店街の売り上げアップにも貢献し、地域と来訪者、商店同士、多世代の交流の場としても提供。情報交換や地域ニーズの吸い上げにもつなげていく。
旧小沢屋旅館は、JR辰野駅から徒歩3分の天竜川沿いに位置。1970年代に建てられた3階建て鉄骨造りで、延べ床面積は約700平方メートル。廃業後、しばらくは所有者が居住していたが、10年ほど前からは利用されなくなっていたという。
計画では基本的に外装には手を加えず、1階部分に共有のフリースペース、2、3階には8~10畳の個室(10室程度)と、1部屋に複数台のベッドを置くドミトリー形式の宿泊スペースを整備する予定。総事業費は2000万円で、このうち2分の1が国の補助、4分の1は町の補助を受ける。
同施設は、起業に向けた準備期間での活用を想定するほか、サイクルツーリズムガイド養成スクールの合宿所としても利用する計画。施設で得た収益は、商店街への新たな投資として還元し、持続可能な商店街の創出や地域活性化などにつなげる考え。
現在、関係者が毎週末に改修作業を行っており、興味があれば誰でも作業に無料参加できる。事前申し込みは不要。
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