「霧の駅」跡地の駐車場に開設した雪道運転の訓練場で走行するパトカー=諏訪市霧ケ峰
観光道路「ビーナスライン」で地域経済の活性化や安全運転の促進に取り組むイベント企画業「Tm.DEPO」(長野県茅野市宮川)は、今年5月31日に閉業した諏訪市霧ケ峰のドライブイン「霧の駅」跡地の駐車場に雪道での運転訓練場を開設した。正式オープンに先立ち、26~28日には諏訪、茅野両署員らが合同訓練を行っている。来年1月15日から営業を始める。
同社は、実際の路面状況に近い訓練場が諏訪地方に少ないため、アスファルト舗装の雪道訓練場を企画。土地所有者の下桑原牧野農業協同組合に許可を得て、管理者の霧ケ峰インターチェンジ観光商業会とともに運営する。
12月中旬ごろから整備を始めた。同駐車場に約4000リットルの温水をまいて凍結した下地を作った後、作業車両で積雪を固めて圧雪路面を再現した。70~100メートルの直線コース4本と旋回走行のコース5カ所を設置。要望に合わせてコースを変更でき、利用者自身の車両で訓練できるのも特徴の一つ。
岩波敏樹社長は「最近の車は性能が向上しているが、使い方を知らない人も多い」とし、「安全な環境で思いっきりブレーキを踏んで車の機能を試してほしい。自治体や企業の職員研修でも活用してもらいたい」と話している。
26日の訓練には両署員や県警交通機動隊員ら約20人が参加し、パトカーや事故処理車両など5台で訓練を実施。直線コース3本を速度別に分けて急ブレーキやハンドル操作を体験したほか、8の字走行も行った。車体の後部が左右に振れたり、積雪にはまったりする車両も見られた。
訓練後、署員らは「速度が出ているほど制御が効かなくなり、スピードを落とす大切さがわかった」「凍った路面での操作の限界を知れた」などと感想。諏訪署の保谷祐輔交通課長は「一般道と近い条件での訓練は貴重な機会。いい経験になった」と述べた。
営業開始の1月15日は午前9時から、一般参加者を募って「ビーナスドライバースノーレッスン」を開催。日本自動車連盟(JAF)の隊員らを講師に招く。12月27日からイベントの参加申し込みと訓練場の利用予約を始める。
営業は2月下旬ごろまでの予定。15日は参加費5000円。定員は20人程度だが、当日参加も受け付ける。問い合わせは同社(電話0266・55・4705)へ。
[/MARKOVE]