長野放送
「医療提供態勢のひっ迫」が懸念されるとして、長野県が「医療非常事態宣言」を出してから1カ月がたちます。宣言は病床使用率が目安の50%を超えたとして11月14日に出しました。ワクチン接種の呼びかけや、高齢者施設に検査キットを配布するなど対策してきましたが、現在まで病床使用率は60から70%を推移し減少の気配は見えていません。これから人の動きが活発になる年末年始を迎えます。インフルエンザとの同時流行も考えられ、医療の現場は「このまま冬を乗り切れるか」と懸念を強めています。
北信総合病院・荒井裕国統括院長:
「宣言が出たから良くなるかなと期待はしたんですけれども、現場としては日々厳しい状況が増しているという感じですね」
北信総合病院の荒井裕国統括院長です。
「横になって、点滴始めますよ」
北信総合病院はコロナ病床を30床用意していますが、ほぼ毎日埋まっている状況です。宣言が出たころよりも悪化していると話します。
一般診療にも影響―。
北信総合病院・荒井裕国統括院長:
「一般の診療の患者の入院をここ1週間以上の間、制限し続けている。本当に申し訳ないんですけど、少し先送りできるような検査とか手術の患者を、入院を先送りさせていただいているというのが現状」
これから忘年会シーズンが始まり、人の動きが活発になる年末年始となります。さらに、現場が懸念しているのが…
北信総合病院・荒井裕国統括院長:
「この先、インフルエンザが増えてきたらどうなるのかなというくらい、ベッドの状況は厳しいです」
今の状況のままインフルエンザとの同時流行を迎えれば医療崩壊も起こりうると話します。病院では今は職員の感染を防ぐことに注意を払いたいとしています。
北信総合病院・荒井裕国統括院長:
「(感染が)横に広がらないように病院を守る。病院の機能を維持することが今、一番大事だと考えています」
北信総合病院や県は改めて手洗い、屋内でのマスク着用、部屋の換気、体調が悪いときは人との接触を避けるなどの基本的な対策の徹底を呼びかけています。
また、医療への負荷軽減のため重症化リスクが低く症状が軽い人は、病院ではなくまず自己検査を行ってほしいとしています。
長野放送[/MARKOVE]