のど飴やグミで知られる「カンロ」の商品
信州に生産拠点を置く菓子メーカーです。のど飴やグミで知られる「カンロ」。創業の地は山口県ですが、実は信州の工場で半分の商品が生産されています。信州に進出した理由と生産現場を取材しました。
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■ 人気商品を生産…信州は湿度が低く首都圏に近い
「健康のど飴」
40年余りのロングセラー「健康のど飴」に、子どもに人気の「ピュレグミ」。いずれも、創業110周年を迎えた菓子メーカー「カンロ」のヒット商品です。
カンロの工場
生産拠点は3つあり、一つは創業の地・山口県、残り2つは長野県松本市と朝日村です。松本市の松本工場では「健康のど飴」や「ピュレグミ」を作っていて、1日当たりの生産量はアメがおよそ17トン、グミはおよそ10トンにもなります。
それにしても山口から遠く離れた信州に、なぜ工場があるのでしょうか?
提供・カンロ株式会社
「カンロ」は大正元年(1912)に現在の山口県光市で宮本政一が創業。当時は「宮本製菓所」という名前でした。昭和30年(1955)、「より日本人の口に合う味を」と隠し味にしょうゆを入れたカンロ飴を発売。これが大ヒットします。生産拡大のため新工場を建設することになり、最終的に松本市が選ばれました。
なぜ松本なのでしょうか?
■進出の理由…「気候」と「物流コスト」
藤本敬二 松本工場長
藤本敬二 松本工場長:
「信州というのは、アメを作るのに適した気候、要するに湿度が低い。周りの湿度が高いところであれば、アメっていうのはベタベタしてくる。もう一つは首都圏に近いということ。物流コスト面といいますか、環境とコスト、両面を考えたときに長野県が最良の地であると」
長野県は内陸性気候。沿岸部より湿度が低く、中でも松本は日照時間が長く空気が乾燥しがちです。カラっとした気候がアメの生産に向いていると1959年、松本市に工場が設置されました。
カンロは霊薬の水「甘露」に由来
この時期は大きな節目で、翌年、社名を「カンロ」に変更しています。ちなみにカンロは中国・インドに伝わる霊薬の水「甘露」に由来します。
90年代に入るとグミの製造も手掛け「ピュレグミ」がヒット。2010年に朝日村に工場を新設しました。現在、山口の工場でアメを40トン、松本工場でアメとグミを27トン、朝日工場でグミを19トン生産しています。
藤本敬二 松本工場長:
「(2つの工場は)存在としては非常に大きくなっているんじゃないかなと思います」
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