漁船で魚食性鳥類の追い払いをする諏訪湖漁業協同組合の組合員
魚食性鳥類から諏訪湖産のワカサギなどの水産資源を守ろうと、諏訪湖漁業協同組合や長野県などでつくる諏訪湖漁場活性化協議会は1日、漁船などを使った鳥類の追い払いを諏訪湖で始めた。漁協組合員ら約40人が交代で、鳥の群れに向けて船を走らせている。
試験獲りの結果や県水産試験場諏訪支場(下諏訪町)の調査データから、ワカサギの資源量は例年並みに回復しているものの、魚食性の鳥類は漁師が獲るよりも多くの魚を捕食するとされる。諏訪湖ではカワウ、カワアイサ、カンムリカイツブリの水鳥が生息しており、追い払いでそれらによる食害を制御したい考えだ。
冬鳥のカワアイサは例年、11月下旬ごろに飛来するが、今年はまだ飛来しておらず追い払い序盤の中心はカワウ。遊覧船の桟橋などに群れで止まっているカワウに漁船が近づくと、一斉に飛び立っていった。同漁協によるとカンムリカイツブリは船に驚いても水中に潜ってしまうため、追い払いの効果は薄いという。
追い払いは来年の3月中旬まで毎日行う予定で、午前6時から午後6時までの間に、6時間おきに2艇が出船する。追い払いには信号煙火や爆竹花火も使用する計画だ。同漁協の武居薫組合長は「冬季に諏訪湖が全面結氷すれば、まだ鳥による食害が防げるが、近年の温暖化で冬季でも食害が懸念される。来春のワカサギ採卵事業に向けて、諏訪湖の水産資源を守っていきたい」と話した。
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