会場に用意された木のおもちゃで遊ぶ家族連れ=伊那市鳩吹公園
長野県伊那市の森林資源と住民の暮らしを結び、市の発展につなげる「市50年の森林ビジョン」の官民共同参画応援組織「市ミドリナ委員会」が主催するイベント「秋の森マルシェ」は1日、同市横山の鳩吹公園と市民の森で開いた。参加した林業や建築、木工に携わる24事業所が、工作教室やおもちゃ作りのワークショップ、各種物販など森の恵みの魅力を伝える企画を提供。多くの家族連れでにぎわった。
イベントは、市民と林業関係者らをつなぐ目的で昨年から開始。今年は森マルシェに合わせて「森で木を切る人と、木を素材に仕事をする人を結ぼう」と伐採、製材、建築など関連事業者の連携を深める「森のマッチングデイ」(市主催)を同時開催した。
会場では椅子、松ぼっくりツリー、箸の工作教室や丸太の早切り競争、チェーンソーの目立て体験などを実施。家族で来場し、わが子3人が木のおもちゃで遊んだ箕輪町の金澤真登香さん(40)は「子どもたちが夢中で遊んでいる姿を見て、木が持つぬくもりの魅力を感じた」と話した。
森のマッチングデイでは、上伊那森林組合のスタッフが普段は見られない樹木伐採を公開。伐倒から玉切り、枝払いまでをハーベスターと呼ばれる機械1台で連続して行う最新の技術を披露した。同組合の城ケ瀧壮一さん(49)は「条件の良い場所なら機械作業は早いが、山奥では熟練した技術を持つ人が活躍する。興味を持った人はぜひ林業の世界に来て」と呼び掛けた。
森のマッチングデイに参加した市内で林業と製材所を営む盛太志さん(47)は「ようやく木こりにも日が当たる時代になった感じ。林業関係者の連携により新たな仕事の創出につなげたい」と述べた。
ミドリナ委員会の平賀裕子副委員長(59)は「こうしたイベントを通じて森林に親しむことで、子どもたちが大人になった時、森林資源を当たり前に活用する世の中になることを願う。森マルシェは今後も続けたい」と話した。
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