新たに断層が確認された区間
長野県の諏訪湖南岸から山梨県にかけ、新たな活断層が9カ所で発見されたことが29日、国土地理院が公表した活断層図「茅野改訂版」から分かった。発見された活断層はいずれも諏訪地域を縦断するように走る糸魚川-静岡構造線を構成する断層。それぞれの断層の活動時期や活動時の影響などは不明。国土地理院の担当者は「地域の防災に役立ててほしい」としている。
活断層図によると、新たに発見された活断層は、諏訪地域を北西-南東方向に延びる「諏訪湖南岸断層群」「茅野断層」「釜無山断層群」の三つの活断層。
岡谷市湊から茅野市西茅野付近まで延びる諏訪湖南岸断層群(約5キロ)では、同市小野屋、西茅野の2カ所で発見された。これまで不明瞭だった小野屋付近の断層が確定し、断層群が西茅野付近まであることが分かった。
諏訪市神戸・沖田町一丁目・茅野市上原付近から、茅野市坂室付近までの茅野断層(約4キロ)は、坂室付近から2条の活断層が南東方向に延びていることが新たに確認された。
同市坂室・向ケ丘付近から山梨県北杜市小淵沢町付近までの釜無山断層群(約17キロ)では、同市大池から富士見町横吹までの5カ所と同町横吹から北杜市の塩沢温泉までの1カ所の、計6カ所が確認された。このうち大池から横吹までの間にある5カ所はいずれも北東側に落ちた活断層。付近は何条も活断層が走っており、今回の調査で詳細な活断層の分布が判明した。北杜市まで続く別の活断層の長さは約3キロに及ぶことも新たに分かった。
調査は2021年度に実施。空中写真や標高データから作成した立体画像を判読して活断層を抽出し、活断層の詳細な位置やずれの方向などを明らかにした。活断層図は国土地理院のホームページで閲覧できる。
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