殺処分を免れた犬
9月20日から「動物愛護週間」が始まります。特集は「かみつき犬」と呼ばれながら、殺処分を免れた1匹の保護犬の物語です。小さな命はどのようにして救われたのか…。動物愛護を考えます。
【動画で見る】殺処分免れた保護犬「しいたけ」の物語 ”かみつき犬”から心の傷癒し
■割れた耳、かみ癖…「死なせたくなかった」
オカリナ奏者の小林洋子さん
オカリナ奏者の小林洋子さん。手にするのは「しいたけオカリナ」と名付けた特注品です。小林さんには、この特別なオカリナの音色にのせて伝えたいメッセージがあります。
長野県佐久市・小林さんの自宅―
小林洋子さん
「しいたけ」を引き取った・小林洋子さん:
「手をしばらく出さないでいてもらえれば。においはかぎに行きますけど」
取材スタッフ:
「わかりました」
小林さんの愛犬「しいたけ太郎」
小林さんの愛犬「しいたけ太郎」。かわいらしい顔をしていますが、接し方には注意が必要です。
「しいたけ」を引き取った・小林洋子さん:
「もう今は(私が)どこ触っても怒らないけど、来たときは触るだけでかまれて」
保護された当時(提供写真)
「しいたけ」は2年前、元の飼い主が「かみつくから」と群馬県の保健所に持ち込んだ犬でした。
なぜ、かみつくようになったのか、経緯は不明です。ただ、長く問題のある飼育環境に置かれていたのは明らかでした。
保護された当時(提供写真)
ドッグリライフ群馬・新井礼子代表:
「毛並みがものすごく悪くて、耳もあかぎれでひび割れていた。眉間にしわが寄っているような、怖がりでオドオドしていて…」
当時の様子を語るのは群馬を拠点に活動し、県内の譲渡会にも参加する新井礼子さんです。
10歳の「老犬」で、さらに心の傷が原因とみられる「かみ癖」。通常の譲渡対象にはならないとみた新井さんたちは、すぐに保健所から引き取りました。
ドッグリライフ群馬・新井礼子代表
ドッグリライフ群馬・新井礼子代表:
「(譲渡対象にならない犬は)そこから引き出さない限り殺処分になってしまう。死なせたくなかった」
人と暮らすための訓練
「ドッグリライフ群馬」ブログより:
「ふせ、そう、じょうず」
早速、トレーナーのもとで人と暮らすための訓練が始まりました。
「ドッグリライフ群馬」ブログより:
「はいオッケー、じょうず!」
毛の色にちなんで「しいたけ」と名づけたのはこの頃です。「しいたけ」は順調に訓練をこなしましたが心の傷は深く「かみ癖」は完全には消えませんでした。
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