尖石遺跡の西側の範囲を確認する新たな調査で見つかった「穴」(白いテープで輪郭を示している部分)。子どもたちの発掘体験も行われる
長野県茅野市教育委員会は13日、国特別史跡「尖石石器時代遺跡」(同市豊平)の追加指定を目指して史跡の範囲を確認する発掘調査を報道関係者に公開した。興味のある子どもたちに現地で調査の体験をしてもらおうと、市内の小学校高学年生と中学生を対象にした「尖石こども発掘体験会」を10月1日に開くと発表した。
同遺跡は縄文時代中期の尖石、与助尾根、与助尾根南の3遺跡からなり、今回発掘調査を始めたのは尖石遺跡西側の史跡指定地外の民有地。「尖石台地」に作られた縄文集落の西側への広がりを明らかにするのが目的で、8月下旬から約3700平方メートルを対象に実施し、これまでに住居跡の可能性のある遺構が1カ所見つかっている。
同遺跡での子どもの発掘体験会は初めて。今回の発掘調査ではほかに、穴4個ほどが確認されおり、穴の調査を子どもたちに依頼。穴の輪郭などを小さなスコップなどで削ってもらい、穴が人によって造られたか、木の根のような自然の穴なのかを調べる。
尖石遺跡の集落の西側への広がりを調べる調査は2017年度と18年度に指定地外の別の場所2カ所でも実施。うち1カ所で住居跡が2棟確認されている。
市教委文化財課の小池岳史係長(55)は、今回の調査を含め「尖石遺跡西側の遺跡範囲がおぼろげながら分かってきた」と話し、子どもたちの発掘体験については「一歩踏み込んだ体験をすることで、特別史跡の価値や茅野市の魅力を感じ取ってもらえれば」としている。
こども発掘体験の募集人数は小学4年生から中学生までの3人。募集期間は17~25日(20日を除く)。申し込み多数の場合は抽選。申し込み、問い合わせは市尖石縄文考古館(電話0266・76・2270)へ。
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