投網漁の解禁日に水揚げされた諏訪湖のワカサギ。諏訪湖漁協では資源量の回復を期待している
諏訪湖のワカサギの投網漁が1日、解禁された。この日の早朝は風が強かったため、例年の約半数の7人が出漁。11人が出漁した昨年の解禁日よりも3キロ多い24キロを水揚げした。魚体の平均体長は約3センチで、重さは約2グラム。諏訪湖漁業協同組合では、試験獲りの結果や県水産試験場諏訪支場(長野県下諏訪町)の調査データから「ワカサギの資源量は例年並みに回復している」と推測している。
昨期はワカサギの資源維持を目的に、出漁を週1回1時間に規制。今期は資源回復を見通して例年と同じ、週3日(月・木・土曜日)の午前4時~同6時までの2時間とした。ただ、同漁協の武居薫組合長(71)は「ワカサギを獲りすぎては採卵に関わる。また、湖内にワカサギが増えすぎても、餌の取り合いになり魚体に影響する。漁の様子を見ながら、出漁時間を増減するなど調整したい」としている。
同漁協では資源量の回復は、放流卵数が影響しているとみている。昨期は採卵数が極端に少なく2000万粒を放流するにとどまったが、今期は3.5億粒を放流。ここまでは順調に生育しているが、漁協では今後の魚食性水鳥や外来魚による食害に懸念を示している。
武居組合長は「漁は日によってばらつきがあり、もう少し水揚げ量の推移を見守りたい。いずれにしても諏訪湖の生態系は乱れている。生態系の回復に期待し、できれば投網漁を来年の1月上旬まで続けたい」と話している。
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