ライトアップされた境内を進む西澤さん夫妻=諏訪市小和田の八剱神社
長野県諏訪市小和田の八剱神社で20日、夜の神前結婚式が行われた。挙式文化の継承に取り組む「最幸ウエディングを創る会」が考案した夜の神前式「諏訪式輝夜(かぐや)」の一環。あいにくの雨模様だったが、雅楽が響き、ライトアップされた境内で繰り広げられた挙式を多くの人が見守り、地域に根差した結婚式の魅力を再確認した。
新型コロナウイルスの影響で婚礼の在り方が大きく変わる中、伝統的な挙式文化を見詰め直す機会にしようと企画。同会の小原康会長と八剱神社の宮坂清宮司が「郷土信仰と結婚式―人のつながりを考える」をテーマに対談したほか、雅楽や浦安の舞、松本のアマチュア劇団「音光舞」の朗読劇「不思議の国ニッポン―イザベラバードの日本紀行より」も披露された。
神前結婚式を挙げたのは、公募に応じた岡谷市長地の西澤巧さん(25)、芽泉さん(25)夫妻。足元に竹の灯籠がともり、スモークがたかれた境内を花嫁行列が進み、2人は神前で三々九度を交わした。「厳かな雰囲気でしたが、スタッフさんや家族との距離が近く、温かみのある式ができました」と喜んでいた。
小原会長は「かつて諏訪の結婚式には幹事会があり、地域の若者の絆を深めるものだった。諏訪式輝夜で心に響く嫁ぐ瞬間をお届けしたい。忘れかけてしまった絆をもう一度育み、未来に向き合う大きな力にできれば」と話していた。
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