上高地に通じる県道で土砂崩落(長野・松本市)
長野県松本市の上高地に向かう県道ののり面が崩落し、27日朝から通行止めが続いています。宿泊客など700人余りが一時、孤立状態となり開山祭も中止になりました。道路を管理する県は、大型連休初日の29日に通行止めを解除する予定です。
上高地で孤立していた宿泊客などを乗せたバス(長野・松本市)
午後4時過ぎ、沢渡地区に着いたバスから降りる人たち。県道の崩落で朝から上高地で足止めされ、ようやく降りることができました。
下山した宿泊客:
「一安心ですね」
「下山できてほっとしましたね。すごい降りでしたね、一晩中、梓川が濁流になって」
(記者リポート)
「あちらが土砂崩落があった現場です。現在、重機による復旧作業が行われています」
土砂崩落があった現場の周辺地図(Google Earthより作成)
現場は上高地の入り口にあたる釜トンネルから2.4キロ、大正池の手前にある急斜面です。
上高地に通じる県道で土砂崩落(提供:松本建設事務所)
県によりますと、27日朝4時半ごろ、幅10メートル、高さ15メートルに渡って崩れているのをパトロール中の担当者が見つけました。雪解け水でもろくなった岩が、26日の雨ではがれ落ちたと見られています。
梓川(長野・松本市)
上高地では26日の降り始めからの雨が4月の観測史上最多の141.5ミリを観測していました。
釜トンネル(長野・松本市)
上高地に通じる唯一の県道は終日通行止めになり、観光客310人を含む716人が一時、孤立状態に。観光シーズンの幕開けを告げる開山祭も中止されました。
観光客:
「開山式やらないということ?(中止になっちゃいました…)あれを見に福島からわざわざ来たのに…」
上高地温泉ホテル・牧義孝支配人:
「コロナの影響が薄らいできて、今年は期待も大きかったんですけど、(観光シーズンの)最初にこれで残念なんですが、自然の中にあるところなので、こういうことはある程度は仕方ない」
夕方までに、およそ250人が松本市の手配したバスなどで麓に降りました。県は大型連休初日の29日に通行止めを解除する方針です。[/MARKOVE]