遷座の儀を終え、薙鎌を先頭に厳かに春宮を出発する遷座の行列
諏訪大社下社春宮から秋宮へと御霊代を遷す諏訪大社下社の夏の遷座祭「お舟祭り」は1日、長野県下諏訪町内で行われた。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、3年連続で柴舟の曳行は行わず、柴舟に見立てた行列が春宮から秋宮へと向かった。前日の「宵祭り」と当日の「神賑わいパレード」も3年連続で中止となり、今年も感染防止対策に配慮した静かな祭りとなった。町民や観光客らが見守る中、時代絵巻のような行列が町内を進んだ。
春宮で遷座の儀を行った後、御霊代を乗せたみこしを中心とする遷座の行列が笛の音とともに午後1時40分ごろに春宮を出発。大門-矢木崎-魁町-友之町-大社通りを経て、秋宮へと向かった。遷座の行列の後には、今年の御頭郷を務めた原・本郷・境の大総代や人形保存会、柴舟奉製会が奉仕する柴舟に見立てた行列が続いた。神像を象徴する翁と媼の人形は、白丁姿の人形保存会代表が担いで歩いた。
柴舟に見立てた行列は午後2時20分ごろに秋宮へと到着し、神事の後、神楽殿を3周した。最後は境内の特設土俵で神事相撲三番が執り行われた。
御頭郷の五味幸太郎・責任大総代=富士見町乙事=は取材に「柴舟をイメージしながら曳くことができた。こうした状況でも無事にご奉仕ができてよかった」と話し、「来年は本来の柴舟を曳くお舟祭りであってほしい」と願った。
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