市民参加型ミュージカル制作プロジェクト「エーストックシアター」の音楽朗読劇「千一夜物語~アラビアンナイト」=駒ケ根市文化会館
NPO法人アクターズゼミナール伊那塾(長野県飯島町)の市民参加型ミュージカル制作プロジェクト「エーストックシアター」は25、26の両日、音楽朗読劇「千一夜物語~アラビアンナイト」を駒ケ根市文化会館で上演した。一般公募で募った上下伊那在住のキャスト21人が出演。複数の物語を盛り込んだオムニバス形式の劇で観客を楽しませた。両日の総来場者数は760人。
千一夜物語はアラビアを中心とした説話集。きさきに裏切られたことで女性を憎み、妻を新たに迎えては処刑していたペルシア王に嫁いだ娘が、自らの命を賭けて毎晩王に物語を語る。劇中には「シンドバットの冒険」や「アリ・ババと40人の盗賊」などなじみある話が登場。コミカルな演技が観客の笑いを誘い、切ない歌声が娘らの葛藤を伝え、会場全体を物語に引き込んだ。
観劇した飯田市の女性2人は1幕終わりに「本格的なミュージカルで驚いた。子どもの演技もプロかと思うほど迫力があった。衣装もすごい」と感動しきり。「話にメリハリがあって見ていてわくわくする」とし、2幕を楽しみにしていた。
日本一長く続いている市民ミュージカルといい、小学生からシニアまで幅広い層の市民が集まった。新型コロナによる延期を経ての上演で、駒ケ根市出身で脚本を手掛けた今村妙子さん(44)は「演者もスタッフもモチベーションの保持に悩んだが、みんな一丸となり本番を迎えられた。ここ数年にないいいお芝居だった。出演者のパワーに感謝している」と成功を喜んだ。
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