同園によると雌1羽は6月10日までに9個の卵を産卵。7月2日の早朝に1羽のふ化を確認した。その後、午後2時すぎまでに計8羽がふ化した。残る卵1個は無精卵だった。ふ化後、巣を離れた親子は飼育室で飼育しており、気温を考慮しながら午前と午後の2回、屋外放飼場に放って、散歩や採食をさせているという。放飼場では、ひなが母鳥の後をついて歩く姿やコケモモをついばむ姿、体温調整が未熟なひなが母鳥の腹の下に潜り込んで温まる「抱雛」をする姿がみられているという。
同園では、このほか雌3羽が抱卵しており、今月中旬のふ化が見込まれている。佐藤哲也園長は「ひなが誕生し、とてもうれしい。これから育雛と野生復帰という最大の山場を迎えるので、より慎重にひなたちを見守りたい」とコメントした。
那須と同じく繁殖に取り組んでいる長野県長野市茶臼山動物園では、ほかの動物園の個体が産卵した有精卵を茶臼山の個体の無精卵と取り換えるなどした雌2羽が抱卵を続けており、今月中旬にもふ化する予定。野生個体が生息する中アでもひなが生まれており、ひなを寒さや外敵から守る「ケージ保護」が取り組まれている。[/MARKOVE]