扉が閉められる直前の「前立本尊」(29日・善光寺本堂)
コロナ禍で1年延期され、期間が1カ月伸びた「異例」の善光寺御開帳。回向柱と善の綱で結ばれていた「前立本尊」の扉が29日午後5時過ぎに閉められ、88日間の御開帳が閉幕しました。
88日間の善光寺御開帳は29日が最終日。強い日差しの中、朝から回向柱には行列ができていました。
東京から:
「最終日で滑り込みました」
埼玉から:
「善光寺、念願だった。暑いですが、ちゃんと参拝したい」
4月3日に開幕した御開帳。コロナの影響で1年延期、また分散参拝のため期間は通常より1カ月延長されました。
(記者リポート 4月3日)
「初日から多くの人が列をつくっていますが、こちらで消毒を行ってから実際に回向柱を触ることになります」
回向柱は感染対策を徹底。前後に手指消毒を呼びかけ、触れるのも1人1面に。
また、ウイルスの働きを抑えるとされる光触媒をコーティングしました。
前回2015年は過去最多の707万人が訪れ、1137億円の経済効果があったとされています。コロナで苦境が続く土産店や飲食店は、巻き返しのチャンスと捉えていました。
人気だったのが、限定のカップ焼きそば。「ペヤング」でおなじみの「まるか食品」と大勧進がコラボ。信州らしく「そば風」の味です。期間中、ずっと好評だったということです。
ただ、コロナの影響もあってか、前半の参拝客は例年より少なめで、売り上げも思ったよりは上がらなかったという店も多かったようです。ゴールデンウィークの参拝客は前回のおよそ6割、97万人にとどまりました。
ただ、6月に入り感染状況の落ち着きもあってか「駆け込み参拝」がみられ、増加しました。
門前の店は…
すや亀 仲見世店・真野恵さん:
「(最初は)最後まで本当にできるか不安ありましたが、とりあえず乗り切れた」
八幡屋磯五郎 本店・橋詰智明さん:
「6月中旬くらいから平日もたくさんみられるようになって、最終日までしっかりいらっしゃるという印象です」
関係者は一定の手ごたえは感じているということです。
そして午後5時過ぎ―。
大勢の参拝客が見守る中、厨子の扉が閉められました。過去最も長い88日間にわたった「異例の御開帳」が幕を閉じました。
長野放送[/MARKOVE]