長野県須坂市の中学校に、およそ100年前、フランスで作られた古いピアノがあります。長い間、使われないままでしたが、生徒も参加した「復活」プロジェクトが始まりました。
「プレイエル」「パリ」の文字
27日、須坂市の東中学校の体育館に運ばれた1台のグランドピアノ。
そこには「プレイエル」「パリ」の文字が…。1920年代にパリで作られた物で、現在に換算すると2000万円もしたといいます。
「プレイエル」社のピアノは、あのショパンが愛用していたことで知られています。
生徒に弾いてもらうと…
東中学のピアノは、1958年の開校直前に地元出身の実業家が寄贈。長い間、使われていませんでしたが、貴重な財産を生かそうという生徒の声を受け、修理することになりました。
試しに弾いてもらうと、不安定ながらもきちんと音が…。
弾いてみた生徒:
「いつものピアノと違って鍵盤が軽い。ちゃんとプレイエルって感じがしました。もっときれいにしてみんなで楽しめるようなピアノになれば」
分解したところ、欠けた部品もあるものの、大きな破損カ所はないということです。
修理に協力する調律師:
「とても古いピアノなので、ふいてるうちにポロっとパーツが取れることがあります。取れたパーツは絶対、無くさないでください」
初日の27日は生徒たちも手分けして鍵盤をはじめ、さまざまな部品を掃除しました。
調律師などの協力で演奏に欠かせない部品は作ってもらうなどして一定のレベルの修理を目指します。
生徒が部品を掃除
作業に参加した生徒:
「昔の人たちは普通に(ピアノに)触ってきたわけじゃないですか。今になって、こうやってみんなで解体作業して新しくしていくってのはすごいなと感じます」
「不思議な感覚ですね。(学校に)けっこう昔から立派なピアノがあって感動します。元通りになってきれいな音色だったらいいな」
「弾いてみたいです」
生徒は…
生徒たちは今後、プロジェクトの過程を対外的に発信したり、寄付を募ったりするなど本格的な活動を始めます。
プロジェクトを担当・池森潤教諭:
「1つ1つの部品を通じながら、このピアノが生まれ変わる姿を生徒たちに見てほしい。自分たちが愛着を持ちながら関わることで、本物の音色とは何かと考えてほしい」
目指すのは秋の演奏会。よみがえったピアノは、どんな音を奏でてくれるでしょうか。
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