署名した覚書を公開する白鳥孝市長とマルクス・ヒルヴォネン知事
長野県や長野県伊那市と、林業分野で覚書を交わす北欧フィンランド北カルヤラ県の訪問団14人が8日、上伊那地方を訪れた。信州大学農学部では伊那市と北カルヤラ県が2019年に締結した林業関係の連携交流に関する覚書を更新するための調印式を実施。白鳥孝市長とマルクス・ヒルヴォネン知事(38)が署名し、連携交流の継続を確認した。
覚書は、森林産業分野での協力などを明記。ヒルヴォネン知事は「伊那市とは民間企業や教育関係、森林調査・研究分野で連携したい」とし、「当県は、森林の調査研究で世界のトップクラスにあり、さまざまなことを学んでいただけるはず」と述べた。
同国は、地球温暖化防止に向けた二酸化炭素削減政策のうち、化石燃料を再生可能エネルギーに転換する取り組みで、すでに目標をほぼ達成している。白鳥市長は「再生可能エネルギー転換に国を挙げて取り組む姿勢が、世界で一番進んでいるので、伊那市もそこを学びたい」と述べた。
この日は友好の証として、北カルヤラ県側から県の旗と同国の木シラカバの樹液を原料にしたウオツカなどが市側へ贈られた。伊那市からは祭りの法被、木を紙のように薄く削った経木のメモ帳、中央・南両アルプスのパノラマ写真を贈呈。調印式後にはシラカバの苗木を植樹した。
ヒルヴォネン知事によると同県の標高の最高地点は約300メートル。「伊那は高山に雪が残る景色が本当に美しい」と感動した様子で、「視察先で食べたイチゴが本当においしかった。農業技術も学びたい」と望んだ。9日は伊那市内の工場などを視察する。
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