新型コロナ感染症対策で距離を取りながら踊った獅子招きの子どもたち=大御食神社例大祭宵祭りのお練り
長野県駒ケ根市市場割にある大御食神社の例大祭は18日、宵祭りが行われた。市内五つの地域が持ち回りで年番を務め、今年は市場割区が担当。市無形民俗文化財指定の「獅子練り」を3年ぶりに実施。汗ばむ陽気の中、300人近くが参加し隊列を組み、地域を巡行。獅子を招く「ソラーイ」の掛け声を秋空に響かせた。
獅子練りは、田畑を荒らす獅子に酒を飲ませて神社に誘い込み、成敗したとする故事に由来し、祭典の中心神事とされる。新型コロナ感染拡大に伴い、ここ2年は地域内を巡るお練りは中止し、年番区が感染対策を講じて「獅子頭奉納」の神事は行っていた。
一行は午前9時30分に南の原集会所をたち、午前は中通り精米所や美須津保育園などの前でお練りを披露。住民が沿道に立ち、傘打ちや獅子招きなどの役を務めるわが子らを誇らしげに見守った。孫4人の装束を手作りした渋谷のぶこさん(72)は「伝統を引き継ぐのもおばあちゃんの役目。着せられてうれしい」と今回が祭りデビューとなった2歳の孫の姿に目を細めた。
子どもに思い出を作ってあげたい―と獅子練りの実施を決めた今年。小林秀夫祭典委員長は「この2年、コロナ下で神事を頑張って続けていただいた。その思いがわれわれを動かした」と昨年、一昨年の年番区へ感謝を口にした。
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