垂直に立ち上がった本宮二でおんべを振る乗り手たち。祭りの熱気も最高潮に達した=5日午後5時58分
諏訪大社式年造営御柱大祭(御柱祭)の上社里曳きは最終日の5日、長野県諏訪市の本宮、茅野市の前宮で建て御柱が行われ、8本の御柱が社殿の四隅に建った。30年ぶりに諏訪大社社有林の御小屋山(茅野市玉川)から授かり、氏子たちの協力で曳き建てた御柱。境内で見守る参加者たちは徐々にせり上がる御柱を見ながら充実感に満ちた表情で拍手を送っていた。
二十四節気の一つで夏が始まるとされる立夏の5日は、暦通りの暑い一日に。長野地方気象台によると、諏訪の最高気温は25.5度を観測し、夏日となった。コロナ禍でマスクをしながらの奉仕となり、建て方も見守る氏子も水分を十分に摂取するよう注意して取り組んでいた。
本宮では前日に曳き着けた本宮一で午前8時20分ごろから建て御柱の神事が始まった。神事後は冠落しとなり、ほかの御柱も続いた。前宮は前日までに神事が終わっており、前宮三は予定を早めて午前8時10分ごろに冠落しを開始した。
先端を三角すいの形に整える冠落しは午前10時ごろから午後3時ごろにかけて終わり、七五三巻きと呼ばれる伝統の技で御柱に綱が巻き付けられた。
地区で選ばれた氏子を乗せて御柱が徐々に建ち上がると、前日にも増して張りのある声を響かせた木やり、迫力あるラッパや鼓笛の演奏、氏子たちの「よいさ、よいさ」の声援が境内に響き渡った。
フィナーレのセレモニーでは、巨木を境内に建てる大仕事を終えた男たちに大きな拍手が送られ、何本もの垂れ幕が披露されると、地域の協力に感謝し、次回の御柱祭に向けたメッセージが氏子たちに伝えられた。
前宮一では、ほぼ垂直に建ち上がった御柱がバランスを崩して大きく傾いたが、事故には至らなかった。
下社里曳きは14~16の3日間の日程で行われる。上社と同様に人力による曳行が予定される。諏訪大社御柱祭は6月15日に上社宝殿遷座祭が行われ、閉幕する。
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