注連掛の御柱を前に、本番で実際に歌われた神事の木やりに耳を傾けるツアー参加者
長野県の下諏訪町観光振興局は22日、諏訪大社御柱祭を感じてもらおうと、下社山出しを終えて同町の曳き着け地点「注連掛」に並んでいる御柱8本などを見学するツアーを行った。県内を中心に8人が参加。桜の花びらが舞う中、巨大な御柱を間近に見学したり、木やり師による生の木やりを聞いたりして御柱祭を肌で実感した。
同振興局は当初、御柱祭の下社山出し最大の見せ場「木落し」を間近で鑑賞できる観覧席付きの旅行プランを販売したが、木落しが中止となり、旅行プランも実施できなかった。今回は、山出しと里曳きの間の期間に着目し、この時期にしか見ることができない注連掛に並ぶ御柱と桜の競演や、「御柱休め」がされた下社春宮、観光施設「おんばしら館よいさ」、木落し坂などを巡るツアーを初めて企画。16日と22日の2回開いた。
木落し坂と注連掛では、下諏訪町木遣保存会の小松直人さん(72)が「曳行の木遣り」や「綱渡りの木遣り」「神返しの木遣り」を実演し、御柱祭での神事や氏子の奉仕などについて解説した。
神戸市から参加した女性(60)は木落しの有料観覧席を申し込んでいたといい、「中止は残念だったが、このツアーを聞き参加した。木やりに感激した。自然に敬意を表し、伝統を延々と伝えている。若い人に受け継がれてほしい」と話した。
同振興局では今後も御柱年にちなんだツアーを計画している。
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