桜が満開を迎えた木落し坂に設置された5代目となる模擬御柱
長野県下諏訪町第六区の有志でつくる「模擬御柱会」(小松直人会長)は17日、諏訪大社御柱祭下社山出しの最大の見せ場「木落し」を行う木落し坂の上に、観光用の模擬御柱を設置した。1998年の大祭後に設置を始め、7年目ごとに更新して5代目。今回の山出し(8、9日)では初のトレーラー運搬となり木落しが行われなかったが、会員たちは木落し坂を訪れる観光客らに”天下の木落し”の臨場感を伝えたい-と、例年以上の特別な思いで設置した。
模擬御柱は、昨年3月に同町樋橋の私有林で伐採したモミで、直径95センチ、長さ約10メートル。木作りなどを行い設置の準備を進めてきた。この日はクレーンで所定の場所に降ろし、くさびやポールなどでしっかりと固定。先端に御幣を取り付け、由緒などを記した看板も設置した。今後、同会が年1回のわなぐりの交換や定期的な御幣の新調、木落し坂の下草刈りなどをして次の大祭まで管理していく。
前回2016年の山出し後に設置された模擬御柱は昨年12月に伊那市の三澤寺や諏訪市の片倉館などに引き取られたため、約4カ月の空白期間を経て再び模擬御柱の姿が戻った。観光で訪れていた都内の60代夫妻は「テレビで見ていましたが現地は初めて。坂が急で怖い。本当に度胸の見せ場ですね」と急坂に驚いていた。
小松会長は「これから6年間、次回の木落しを期待しながら、県内外からの来訪者に模擬御柱とともに天下の木落しを味わってほしい」と願った。
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