空手団体「禅道会」・小沢隆首席師範
ロシアのウクライナ侵攻で、400万人を超える人が国外に避難する中、長野県飯田市に本部を置く空手団体と高森町が連携し、4月末にも9人を受け入れる方針です。長野県内で初めてとなります。
多くの犠牲者を出しているロシアのウクライナ侵攻。これまでに400万人を超える人が国外に避難していて、日本も避難民の受け入れを始めています。
禅道会・小沢隆首席師範:
「禅道会で習っている子どもたちと家族が(高森町に)来ると聞いています。一刻も早く、安全地帯へ脱出してほしい」
高森町で空手道場を運営する小沢隆さんです。飯田市に本部を置くNPO法人「日本武道総合格闘技連盟空手道禅道会」。小沢さんは首席師範を務めています。
「禅道会」は世界35カ国に支部を持ち、ウクライナにも7年ほど前に支部を設立。現地の門下生はおよそ1万人いて、小沢さん自身も新型コロナ拡大前は指導に出向くなど交流を重ねてきました。
侵攻が始まってからも、小沢さんはウクライナ支部長のイゴール・ユカチュクさんと連絡を取り合ってきました。
禅道会・小沢隆首席師範:
「(メールで)『命を大事にしてくれ』『またウォッカ飲めたらいいな』と言ったら『戦争に勝ってまた先生と一緒にウォッカ飲みたいと思います』と。彼はキーウにいるのでとても身を案じていて、いてもたってもいられない気持ちになっています」
小沢さんは自身が住む高森町と連携し、役場などに募金箱を設置するなど支援を行ってきました。
ただ、戦禍は激しさを増し、多くの子どもたちも巻き込まれています。小沢さんはイゴールさんらを通じて、門下生や家族の中で日本への避難を希望する人を募りました。
そして、幼児を含む子ども6人、母親3人の希望があり、受け入れることを決めました。
禅道会・小沢隆首席師範:
「武道通しての仲間、家族、気兼ねなく過ごしてほしい。日本の文化を学んでほしいし、帰るときに良かったという経験を積ませたい」
避難には衣食住が必要となり、高森町が協力します。町が用意する住宅に住み、国の支援金などで生活費を支給、就労や教育も支援していく考えです。
高森町・壬生照玄町長:
「心が癒されることはないかもしれないが、少しでも戦争を忘れたり、落ち着く時間が持てるような受け入れをして、それぞれのご家庭で生活ができるような準備をする」
9人は一時、ポーランドに避難しその後、早ければ4月末にも高森町に到着する予定です。県によりますと、避難民の受け入れは県内で初めてとなります。
なお、県も受け入れの準備を進めていて、現段階で県と連携して支援を検討しているのは、高森町を含め長野市や松本市など27市町村です。
長野放送[/MARKOVE]