二の池ヒュッテ
長野県と岐阜県にまたがる御嶽山の周辺自治体などでつくる協議会は、想定される火口を拡大し、新たな避難計画の運用を始めます。現在の噴火警戒レベルが続けば、3つの山小屋が立ち入り規制範囲に入り、営業できなくなる可能性があります。経営者は「安全のためやむを得ない」としながらも不安を抱えています。
二の池ヒュッテ・高岡ゆりさん:
「あれだけの被害があった場所ですので、しっかり観測していただいて、安全性を確保するためには必要なことだとは思っています」
御嶽山で「二の池ヒュッテ」を経営する高岡ゆりさん。今シーズンの営業が見通せなくなっています。山頂の剣ヶ峰から700メートルの場所に7月から営業予定の山小屋があり、予約も入っていました。
しかし、地元自治体などでつくる防災協議会は、死者・行方不明者63人を出した2014年の噴火を受け、従来の想定火口を幅500メートル、長さ1100メートルまで広げました。18日から新たな避難計画を運用します。
御嶽山は、火山性地震などの増加で今年2月から警戒レベルが「2(火口周辺規制)」に上がりました。想定火口の拡大に伴い、「火口から1キロ以内」の立ち入り規制範囲も広がり、二の池ヒュッテを含む3軒の山小屋がその範囲に入ります。警戒レベルが下がらない限り、営業することはできません。
二の池ヒュッテ・高岡ゆりさん:
「シーズン通して営業自粛となると、収入が途絶えてしまうことになりますので、小屋の破損や維持費がかかってきますので、厳しい現実として受け止めなければ」
通常なら来月に予定する小屋の下見も難しそうで、高岡さんは不安を抱えながら今シーズンを迎えようとしています。
二の池ヒュッテ・高岡ゆりさん:
「逆に観測してくださってるからこそレベルが下がった時には、安心して登っていただける環境をつくれるのかなとも思っています」
なお、気象庁火山監視課は、現状では「警戒レベル引き下げの予定はない」としています。
長野放送[/MARKOVE]