2016年の御柱祭
今年4月に始まる長野県の諏訪大社御柱祭がその姿を大きく変えます。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、柱を山から里に運ぶ「山出し」は氏子が曳行せず、車両で運ぶことになりました。祭りのハイライトとなる「木落し」も行いません。
数えで7年に一度行われる御柱祭。迫力満点の「木落し」は、今回は見ることができません。
諏訪大社上社御柱祭安全対策実行委の委員長:
「氏子による曳行を諦め、トレーラーにより安国寺の御柱屋敷まで搬送との苦渋の決断に至りました」
22日午後、大総代でつくる実行委員会などが「山出し」での人力による曳行を取りやめると発表しました。
新型コロナの「まん延防止等重点措置」の延長で十分な練習ができないことや、参加者の感染の可能性などを考慮したとしています。
諏訪大社下社三地区連絡会議の会長:
「現状からレベル3に下がって(祭りを)やったとしても危険性があり、参加者の安全が担保されないんじゃないか」
御柱祭は4月上旬、16本の柱を山から里に運ぶ「山出し」で開幕しますが、車での運搬になったため、上社は3日間の日程を1日にするなど短縮されます。
下社に先立って行われる上社の「木落し」も中止。柱が川を渡る「川越し」は、川の水をかけるなど代わりのやり方を検討します。
祭りのハイライトとなる下社の「木落し」も無くなり、「全てを人の力で行う」という祭りの姿は根本から変わります。
柱を境内まで運んで建てる5月の「里曳き」については、今後判断するということです。
諏訪大社上社御柱祭安全対策実行委の委員長:
「『里曳き』をやりたいがために曳行を断念している部分がある。『山出し』で感染者を出したくない」
地元の人は…
下諏訪町の氏子:
「大総代さんが判断したことに対しては仕方ない気持ち」
下諏訪町木遣保存会のメンバー:
「うすうすは感じていたけど大変、残念に思う。気持ちを『里曳き』と小宮の御柱のお祭りに切り替えていきたい」
祭りは1200年以上という歴史でも初めてという異例の方法で行われることになります。
長野放送[/MARKOVE]