仲仙寺で獅子舞を奉納する保存会の会員たち
長野県伊那市西箕輪羽広に受け継がれている「羽広獅子舞」の奉納が16日、仲仙寺で営まれた。住民でつくる羽広獅子舞保存会が、雌雄一対による5種類の舞を合わせた「阿吽の舞」を披露。五穀豊穣や地域安全を願って舞う姿に、訪れた人たちも見入っていた。
羽広獅子舞の起源は、1613(慶長13)年にさかのぼり、今年で409年目になるという。2005年には、市の指定文化財にもなった。
本堂では、剣で悪魔を切る「剣の舞」、御幣と錫杖を持って舞う「豊穣の舞」などが次々に登場。笛や太鼓の音色に合わせながら、会員たちは巧みな技術で2匹の獅子を前後左右に動かしていた。
新型コロナウイルス感染予防のため、区内の巡行は中止し、参加者も減らした。昨年に続く規模縮小となったが、境内には興味深げに眺める子どもたちもいて、多世代が行事に触れる機会になった。
保存会の重盛三喜男会長は伝統を引き継ぐ大切さに触れながら「地域がにぎやかになるきっかけとして続いてほしい。コロナが早く終息し、平穏な世界になってくれることを祈る」と話していた。
[/MARKOVE]