阿弥陀岳山頂で行われた開山祭。3年連続で関係者のみで実施した=5日午前11時5分ごろ
夏山シーズンの本格的な到来を告げる第38回八ケ岳(阿弥陀岳)開山祭(長野県原村観光連盟主催)が5日、阿弥陀岳山頂(標高2805メートル)で行われた。新型コロナウイルス感染防止のため、3年連続で一般客の参加を取りやめ、関係者のみで神事を執り行った。同連盟役員や事務局の村商工観光課職員、原山岳会員ら15人が、遭難者の供養と1年間の山の安全を祈願した。
コロナ前は例年6月の第1日曜日には八ケ岳の登山シーズンを告げる開山祭が赤岳や北横岳、阿弥陀岳の各山頂で開かれ、多くの登山者が集った。阿弥陀岳には登山者150人ほどが参列していたという。
この日は夕方ごろからの雨予報が心配されたが、晴天に恵まれた。関係者は午前6時すぎに舟山十字路登山口(原村)から入山。標高差約1200メートル、全長約10キロの登山道を進みつつ、案内板の状態なども確認した。登山道にはイワカガミなどの花が咲き始めていた。
開山祭では神事に続いて遭難者の追悼として献花や黙とうをささげた。神事を執り行った原山岳会の津金一臣さん(63)=同村=は「やっぱり人数が少ないと寂しいけど仕方ない。登山客は徐々に戻ってきているが、遭難事故が多いので安全なシーズンを願いたい」。村観光連盟副会長の石川高明さん(54)=同村=は「来年こそは一般の方に参加してもらうためにも事故がない1年間になれば」としつつ、「登山はウィズコロナに合ったスポーツ。この機会に挑戦してほしい」と話していた。
[/MARKOVE]