力を合わせ、柱を立てる上戸の住民たち
長野県伊那市西箕輪の上戸で14日、小正月の伝統行事「でえもんじ」があった。色鮮やかな飾りなどを付けた、高さ約15メートルの柱を集落中心部にある道祖神の脇に立てた。雪の舞う中での作業だったが、約40人が協力して進め、厄除けや地域の安全を願った。
午前5時ごろ、太鼓の音を合図に、住民たちが集合。もみ殻を詰めた色紙袋「巾着」、竹串に細く切った色紙を巻いた「花」、御神酒の入ったたるなどを、横にしておいた柱に取り付けた。
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準備が整うと、住民たちは柱の周囲に集まり「せーの」と息を合わせて、一気に立ち上げた。空に向かって真っすぐそびえる様子を、参加者は感慨深げに眺めていた。
柱は20日の午前5時半に下ろす。巾着や花は持ち帰り、魔除けなどにするという。
新型コロナウイルス対策のため、祭りの規模は縮小した。住民でつくる実行部の鈴木義則実行部長は「1年の皆さまの健康を願っている。末永く、伝統を引き継いでいってほしい」と話していた。
上戸のでえもんじ祭りの起源は定かではないが、上伊那には松本方面から伝播したとされる。市内で現在も続く地域は上戸のみという。
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