大釜で炊き上げた後、神職へ託される御筒粥=8日夜、箕輪町の箕輪南宮神社
長野県箕輪町木下の箕輪南宮神社で8日夜、1年間の世相や農作物の豊凶を占う「御筒粥神事」が行われた。同神社の祈年祭の宵祭りに合わせて毎年実施されている伝統行事。大釜でヨシの筒粥を炊き、粥の入り具合で占った。ご託宣によると、世相は「七分八厘」で、昨年を3厘上回った。
占いは世相のほか、さまざまな農作物と四季の気候を含めた計37項目。項目と同じ本数のヨシを麻のひもで結び付けたものと、米5合と小豆3合とを一緒に大釜で2時間余り炊いた後、ヨシを1本ずつ割って占った。大釜からヨシを取り上げて結果が出るまでの間、神楽が奉納された。
農作物の出来は早生稲、晩生稲、ゴボウ(牛蒡)、白菜の4種が「極上」、早生小麦、ソバ(蕎麦)、大根、蚕の4種が「上々」。一方で小麦、中生稲、タバコ、梨の4種が「下」となった。気候は春が「極上」、夏が「上々」、秋が「上」、冬が「中」。
唐沢克忠宮司(75)は、世相の占い結果について「新型コロナウイルス感染症が早く収束し、いつも通りのにぎやかな世の中に戻ることを願っている。昨年より良い結果が出ているが、安心せずになお一層気を引き締めて過ごしてもらえれば」と話していた。
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