「上々の出来栄え」という純米吟醸生原酒「維者舎」を手にする関係者=伊那市横山の春日社
長野県伊那市横山の住民有志でつくる「横山維者舎」が育てた酒米を使い、清酒「信濃錦」蔵元の宮島酒店(同市)が仕込んだ純米吟醸生原酒「維者舎(いじゃや)」が完成した。19日には地元の春日社に新酒を奉納。維者舎の中村静男舎長(75)は「芳醇な香りが素晴らしく、上々の出来栄え。多くの方に飲んでほしい」と呼び掛けた。
米作りは、横山の豊かな自然と環境を地区外に知ってもらおうと着手し、3年目。今年は水田3カ所計37アールに酒米「美山錦」を栽培し、約2.4トンを収獲。精米歩合50%で仕込み、1.8リットル瓶換算で約1000本分を製造した。
同店の宮島敏社長(59)によると、今年は「お米がふっくらして量も十分。味は香りが良くて甘味がありフルーティーに仕上がった」という。すでに上伊那地方の酒販店で販売している。価格は税込みで1.8リットル瓶3410円。
維者舎の小林雅生事務局長(54)は「こんなにうまい酒はなかなかない」と宣伝し、「最近はみんなが力を合わせて作業をする機会が少ない。こうして目標を一つに楽しみながら米作りに打ち込むことが地域の結束を深める。今後も励みたい」と意気込んだ。
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