資料:池田町役場
長野県池田町の教育長が再任されず来年1月から3カ月間、教育長が不在となる異例の事態を迎えます。町長は「問題ない」としていますが、町の対応に疑問の声も上がっています。
6日に開会した池田町議会。竹内延彦教育長は今月、任期満了で退職するため、これが最後の議会です。
後任には池田町に住む現役の小学校校長を充てる方針ですが、着任は来年4月。つまり、年明けから3カ月間、教育長が不在となります。
竹内さんは東御市出身。不登校支援のNPO活動に携わり、公募の県職員を経て2019年に町の教育長になりました。
運動会の内容を子どもたちに考えてもらうなど自主性を重んじ、指針となる「教育大綱」もまとめました。
池田町・竹内延彦教育長:
「町長の判断ではありますが、教育長を務めている立場からすれば、本来は空白期間を置かない人がいれば良かったなと感じている」
まだ1期ということもあり、再任は既定路線とみられていましたが、今年9月に町議会が「再任は慎重に」と町長に申し入れました。
池田町議会・矢口新平議長:
「(竹内教育長は)あまりにも進んでいる。小さい町でいろいろやってもらったが、ついてこれない町民がいた。抵抗があったんじゃないか」
詳しい説明はありませんでしたが、議会内にはSNSによる「教育観」の発信などに違和感があったということです。
再任には議会の同意が必要になるため、甕聖章町長は再任を見送りました。一部の保護者が不透明だとして、説明会を求めましたが、町長は教育長個人に関する説明会は開くべきでないとしています。
池田町・甕聖章町長:
「(再任は)賛否両論分かれた。総合的な判断で、任期満了をもって退任していただこうと。現場には校長先生がいる。3カ月の中で教育長が何をやるかっていう部分でも、直接、教育に弊害を及ぼすことはないだろうと考えている」
教育への影響はないとしていますが、年明けは新年度予算を決める重要な時期です。
池田町・竹内延彦教育長:
「予算案を編成する時に教育行政のトップが不在であることは、事務職員にとっても不安が大きいし、現場の先生が来年度予算がどうなるのだろうと心配していると懸念される」
懸念を受けて町は今月中に予算の査定を前倒しし、教育委員を職務代理者にする方針です。
町民は…:
「地域の人も子どもたちもすごく困ると思います。3カ月間空いていること自体がそもそもおかしい」
「抜けている間、仮の人も入ってくれるので、その間、何事もなく過ごせれば特に問題ないのかな」
文部科学省初等中等教育企画課は「空白期間を置くべきではない。やむを得ない場合は、支障が出ないように」と釘を刺しています。
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