世界250カ所のコワーキングスペースとして「富士見森のオフィス」が紹介された書籍を持つスタッフ=富士見町塚平
長野県富士見町塚平にある「富士見森のオフィス」が、世界250カ所のコワーキングスペース(CWS)を紹介する書籍に掲載された。国内では10カ所余が収録されたが、他は東京、大阪、京都で、地方では森のオフィスが唯一選ばれた。運営責任者の津田賀央さん=ルートデザイン合同会社代表=は「コワーキングは場所のことでなく、共に働くことで生まれる文化。そんな観点から評価されるスペースの一つに選ばれ、素直にうれしい」と話している。
書籍は、ドイツ・ベルリンを拠点とするCWSのネットワーク「@coworkies」が発刊した。メンバーが数年かけて世界400カ所以上に足を運んだ上で選定。森のオフィスにも2017年と18年に2回訪れている。
CWSの日常やそこで生まれる文化、設立の経緯、運営者の声などを、英文と写真で伝える。森のオフィスは、町役場との協働で15年に開設された複合施設とし「築50年の木造施設を美しく開放的なコラボレーションスペースによみがえらせた」と紹介。「遠隔地であっても、CWSがどのように変化をもたらすかを示す素晴らしい例」などと評価している。
書籍の表紙や帯には「Fujimi」の文字のほか、メンバーが来訪した際に使った富士見-新宿間の特急券も印刷されている。
「東京だけでも数百以上開設され、全国となると数は把握できない。世界の名だたるCityのリストに、富士見というTownが載ったことは誇らしい」と津田さん。書籍をきっかけに、世界各国の運営責任者や利用者とのオンライン会合に参加する機会が生まれたことを喜ぶ。「つながり続けることで『働く』ことの意識や、さまざまな価値観に触れることができる。外国の『地方地域』の価値観や情報なども取り入れ、八ケ岳エリアに還元できればと考えている」と話した。
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